29日、厚生労働省が2015年12月の「有効求人倍率(季節調整値)」は、
岐阜県が全国3位、愛知県は全国4位で、ともに1.6倍前後の高水準だったと発表した。
好調な製造業に続き、パートやアルバイトに頼る飲食・サービス業でも
人手不足が強まり、就職支援会社も活発に動いている。
25日、名古屋駅前の「大名古屋ビルヂング」で開催された合同就職面談会。
「景気の良い今が転職のチャンス。新しいビルが職場になるのも魅力です」と、
合同就職面談会に参加した名古屋市内に住むパート女性(46)は、こう意気込んだ。
今は市内のホテルで時給約800円で働くが、販売職への転職と給与アップを望んでいる。
人材サービス大手のインテリジェンス主催の合同就職面談会には、
このビルにテナントとして入る飲食・小売り関係の26社が対象。
仕事を求める約200人が参加した。
インテリジェンスによると、名駅地区ではパートやアルバイトが不足し、
平均時給は1000円以上。大名古屋ビルでは3月にオープンする商業施設部分だけで
約1000人の雇用が生まれ、面談会では「時給1500円」をうたう企業もあった。
同社の稲垣東海統括部長は「名駅地区での採用は、東京並みに厳しい。
人材確保がサービス業の最優先課題になっている」と指摘する。
2015年秋、名駅地区では大名古屋ビルとJPタワー名古屋が完成したほか、
JRゲートタワーも2017年春に開業予定である。
いずれもオフィスと商業施設を併設する大型ビルで、入居企業(アパレル関係の
採用担当者)からは「開業時期が重なったら、採用がもっと厳しい」との声も聞かれる。
こうした求人ラッシュは、東海地方の基幹産業である自動車関連の好調さなどと相まって、
有効求人倍率を押し上げている。リクルートキャリアによると、採用難は正社員でもみられ、
非製造業を中心に中途採用を増やす動きが目立つという。
【愛知県の有効求人1.59倍】
2015年12月の「有効求人倍率」は、愛知県が1.59倍(前月比0.03ポイント増)、
岐阜県は1.63倍(同比0.03ポイント増)、三重県は同1.35倍(同比0.02ポイント減)。
また、2015年の「平均」では、愛知県が1.54倍(同比0.01ポイント増)、
岐阜県は1.52倍(同比0.23ポイント増)、三重県は1.30倍(同比0.09ポイント増)だった。
東海地方の景気の堅調さを反映し、いずれも全国平均の水準を上回っている。