JR東日本は28日、13年ぶりの山手線の新型車両「E235系」を、
東京都品川区の東京総合車両センターで報道向けに公開した。
同社は、2015年秋ごろに営業運転を開始し、
2020年ごろまでにE231系を全てE235系に置き換える方針。
新型車両E235系のデザインコンセプトは「お客さま、社会と
コミュニケーションする車両」がキーワード。
「より付加価値の高い情報をお客さまに提供」(JR東日本)
するとしている。
新型車両の大きな特徴は、①車内の「中吊り広告が廃止」され、
広告媒体がデジタルサイネージ化(液晶画面化)された。
1両あたり13~20か所に約20インチの液晶画面を設置し、
動画のコマーシャルやニュースを流すという。
通勤の時間帯には、サラリーマン向けに、
昼間の時間帯には主婦やファミリー層向けの広告CMを流すなど、
時間帯や乗客層によって広告CMを流すことが可能となる。
また、高齢化や2020年の東京オリンピック・パラリンピックに
伴う観光客の増加などに対応に、②優先席が増設されたほか、
「フリースペース」が各車両に整備され、車いすやベビーカーの
利用者がより安心して乗車できるのも特徴。
③E235系では車両側面にある黄緑色の線が、
山手線で現在使われているE231系500番代とは異なり、
横方向ではなく縦方向へ。ホームドアの設置が進み、
横方向の線では見えづらくなるため。
さらに、④安全性の向上のため、乗降口の扉は荷物が挟まれても
引き抜きやすいように改良したほか、レールや架線に異常がないかを
監視するシステムを新たに搭載した。
そんな新型車両の登場で、姿を消すのが車内にぶら下がっている
「中吊り広告」。 車内中央の上部に掲出されるので、
どこからでも目に入るのが強み。掲出期間は2~3日だが、
即効性が高く、新商品やキャンペーン、雑誌の発売などに最適で、
電車やバスなどの車内広告の中でも最も注目されるメディアとされる。
中吊り広告が登場して半世紀ほど。乗客によっては中吊り広告から
習慣的に情報を得るため、話題づくりにも有効、かつ購入行動に
つながりやすい特徴もある。