6日、SMBC日興証券の集計によると、東証1部に上場する企業(1267社、金融除く)の
2015年3月期の経常利益が、過去最高だったリーマン・ショック前の08年3月期に迫る
見通しとなったことが分かった。
国内の景気回復は遅れているが、円安を追い風に自動車や電機といった海外での売り上げが大きい企業などの
業績改善が目立っている。
SMBC日興証券が6日までに14年4〜12月期決算の発表を終えた963社の15年3月期の最新予想と、
決算を今後発表する企業の従来予想を合わせて集計した。それによると、経常利益は33兆5940億円と
14年3月期比で0.97%増える見通し。過去最高だった08年3月期(35兆5080億円)や
07年3月期(34兆2530億円)に次ぐ水準となる。
5日までに14年4〜12月期決算を発表した782社のうち、15年3月期の経常利益予想を上方修正したのは132社。
今後発表する企業も相次いで上方修正すれば、最終的な経常利益が過去最高を更新する可能性もある。
上方修正した自動車や電機の多くは、景気が好調な米国などでの販売が順調だったことに加え、
円安に伴って、輸出で稼いだ利益の円建て換算額が膨らんだ。
鉄鋼大手のJFEホールディングスは、中国経済の減速で中国向け輸出が振るわなかったが、円安で収益を補った。
過去最高益を更新するトヨタ自動車は、円安のほか、生産コストを削減する原価改善も寄与し、
企業努力が功を奏した。
業種によっては、原油安もプラスに働いた。燃料費の節約につながる航空会社や海運会社にメリットが大きく、
日本郵船などが上方修正した。
一方、原油安が響いた石油元売りや、消費増税で売り上げが低迷した小売りなど計57社が下方修正した。
住宅関連大手のリクシルグループは、消費増税に伴う駆け込み需要の反動減が「予想以上に長引いた」として、
15年3月期の経常利益予想を600億円と従来予想(800億円)から大幅に引き下げた。
(2015年2月6日 毎日新聞より抜粋)